「みんなで見守る」
旅館の仕事の合間に、ふと中庭に目をやると30匹の猫たちが思い思いに遊び、くつろぐ姿。
この姿を見る度に癒され、日々の忙しさを忘れる瞬間です。
(ああ、猫庭を作って良かった。)
心からそう思える瞬間でもあります。
思い返せば、2年ほど前。
私はテレビのニュースに釘付けになっていました。
"犬猫の殺処分。
それも、ここ山口県では全国でも突出した数の猫が殺処分されているだなんて。。。"
これは今に始まった事ではなく、これまでもニュースでは流れていたんでしょう。
ただ私自身には、そのニュースを見るまで『その痛ましさに気付く視点』がなかったんだと思います。
実は、かつて私は大の猫嫌いでした。
それがどうして猫の保護活動を始めたのか。
それは、あのニュースの更に数年前の年の瀬の出来事でした。
子供たちがやってきて、こう言います。
「ねぇ。。。猫ちゃん、飼っても良い?」
よくよく話を聞いてみると、
・近所に住み着いた野良猫を飼いたい。
・一緒に暮らすことが出来ないか?
と言う内容。
「猫と暮らす!?絶対無理!」
猫嫌いだった私は子供たちの頼みを突っぱねようとしました。
「こんなに寒い中で追い出すと死んじゃうよ。。。お願い!」
確かにその日はとても寒く、子供たちの想いに押される形で「面倒を自分たちで見るのなら」と言う条件で許すことにしました。
ここから猫嫌いだった私の人生初の猫暮らしが始まったのです。
ところが。
いざ一緒に暮らして見ると、猫に対するイメージは今ではガラリと変わってしまいました。
嬉しい時はグルグルと喉を鳴らし、構って欲しくない時はそっぽをむく。知的でツンデレ。
そんな魅力に取り憑かれ、私自身がよそ様には見せれないぐらいに溺愛してしまい、気がつけば4匹の猫ちゃんを保護し共に暮らすことになっていたのです。
どうやら、嫌い嫌いと思っていた私の猫嫌いは「猫は不衛生で害がある」などという誤った先入観から来ていたようです。
前述の「痛ましい殺処分のニュース」を目にしたのは、ちょうどそんな時でした。
(何か自分たちで出来ることはないだろうか。。。)
すぐに家族会議が開かれ「旅館の中庭があるから、そこに猫のお家を作ったらどうか?」と言う思い付きから一気に夢が膨らむ事に。
そして、同年6月には無事に猫庭を完成させることが出来ました。
更にその翌年には、2階建てとなり現在に至っています。
これもひとえに、クラウドファンディングを通じて「私たちの想い」にご賛同・ご支援いただいた皆様のお陰です。
こうして猫庭は2016年6月にOPENして以来120匹を超える猫ちゃんを新たな家族へと繋ぎ、今でも猫庭には30匹の猫ちゃんが暮らしています。
https://sho.jp/sho1/19166 小学館から引用
子供達が中心になり、受け入れた猫ちゃん1匹1匹の特徴や性格、日々の健康状態を把握し、家族同様に思いやり、365日休む事なく向かい合い、愛情をたくさん注いでいます。
もちろん、ただ受け入れるだけではありません。
・感染症の予防接種
・猫ちゃんの去勢・避妊
・病気の治療
などを始め、受け入れと同時に譲渡へ向けての取り組みも行っています。
旅館で培ったおもてなしの気持ちを持って、お客様をお迎えし、丁寧に猫ちゃんの性格や健康状態などを伝えて、新たな家族の元へと巣立たせる。
こうして、譲渡と新たな受入を繰り返し、命の循環を作っています。
受け入れた猫ちゃんに、たっぷりと愛情を注ぐぶん、新たな家族が決まった時には、嬉しさと寂しさで子供達も涙しています。
でも、新しい家族から送られてくる猫ちゃんの写真を見ると『やっててよかった・・・』と言う達成感が生まれそれが新しい命を繋げる原動力になっています。
ここまでお伝えしてきたように、私たちの小さな想いから始まった猫庭は、
・クラウドファンディングを通じてご支援いただいた皆様
・ご宿泊いただくお客様
・「猫庭日和」を通じて遠方よりご支援下さる皆さま
を始め、当旅館に関わって下さる皆様に支えられています。
日々、感謝の念を禁じえません。
皆さま、改めましてありがとうございます。
「みんなで見守る」
みなさん一人一人が「みんなで見守る猫庭保護活動」の一員です。
そんな思いで猫庭では日々の想いや記録を留めるべく、子供達が中心になって毎月『猫庭日和』という本を作っています。
猫庭日和の内容は?
毎月36ページに及ぶフルカラーの猫庭の物語をお届けします。
1000円(送料全国一律150円)
猫庭を殺処分がなくなるその日まで運営を行う上で、是非ご協力いただき共に歩んで頂けると幸いです。
猫庭へのご支援どうぞよろしくお願い致します。
ベストレート保障について